LE GARAGE Motoring Collection:Plaster Cast Model Arts

ル・ガラージュが選りすぐった品々の中から、
こだわりの逸品をさらに掘り下げてご紹介。
今回はフリーのモデラーとして活躍する
井上康臣氏の懐かしくも可愛いアートの世界
をクローズアップしました。

クルマが偉大なオモチャであった時代

The 60s - 70s Great Toys

  •  今なお多くの人々を魅了してやまない1950〜1970年代の名車たち。どことなく哀愁を感じるシルエットやそのパーツ一つひとつに埋もれたストーリーを紐解くだけで何時間でも語り合えるディテール。

     その多くが「ひと」の手で、まさに創り上げられていた頃の名車達は、不変の基本ラインを持つ911シリーズを筆頭に、ニュービートルやミニをはじめマスタングしかり、現代の最新モデルのデザインを見てもお手本であることは間違いなく、当時の実車を知らない若者でさえをも魅了している。

     これらの「現代的解釈」の是非や嗜好はともかくとして、やはり当時のそれらは私たちにとって、ある種の崇拝とも言える大いなる尊敬の念を持たずにはいられない。多くのコレクターがそんな魅力を語るとき、大好きなオモチャを見つけた子供のように瞳を輝かせ、クルマへの愛情を時には自身のエピソードを添えて、映像が浮かぶほど雄弁になるのは、やはり造り上げた「ひと」の情熱が語り継がれているからなのだと思う。

     クルマが偉大なオモチャであった時代。クルマでありながら人格的個性が明確に映し出されていた時代。独特のボディラインはひとの肉体に喩えられ、機関のコンディションは日によって憂い、また日によって歓喜を顕し、それを五感に与えてくれる。エンジンの始動にさえある種の儀式を要することや巡り会うトラブルさえも後には懐かしくも美しい思い出へと誘うイベントであり、佇まいには得も知れぬ感慨が込みあげる情景がある。

     多くの人々を惹きつける魅力は、こんなところにあるのではないだろうか。

  • 石膏モデルカー

     嘗て大手の自動車メーカーデザイン部でモデリングとデザインを学び、現代のクルマが失いつつある存在感と佇まいを作品に表現しようと石膏で製作を始めた井上康臣はフリーのアートモデラーとしての道を歩んでいる。元の型となるシルエットはそれぞれの特徴を強調しつつ氏の持つ観察眼と緻密な計算によって微妙なラインを表現。ボディカラーリングやパーツをはじめ当時のデカールまでもが筆で描きあげられ、仕上げの釉薬によって独特の光沢感が見いだされる。そしてこれらすべてが手作業で製作されている。つまり、同じモデルでも微妙に個々が異なるところも彼の時代の良さの再現といったところか。

     ぽってりとしたカタチからは、いずれも氏の大いなるクルマたちへの愛情が感じられ、まさに命が吹き込まれた芸術作品として、掌に乗る20センチ足らずのおよそ1/21〜1/23程度のサイズの中には計り知れないロマンが再現されている。

     この魅力はとにかく手にして見て欲しい。そしていつも目にとまる場所に。クルマに取り憑かれた同胞諸氏にとって、癒しを与えてくれるこのひとときこそアートの神髄ではなかろうか。


    石膏モデルカー 商品一覧を見る