LE GARAGE Motoring Collection:CHAPAL Leather Garment Manufacturer

ル・ガラージュが選りすぐった品々の中から、
こだわりの逸品をさらに掘り下げてご紹介。
今回はビンテージスタイルのウェアとしては
世界的にも人気のフランスのCHAPAL(シャパル)を
クローズアップしました。

CHAPAL(シャパル) 至極のスタイル。

CHAPAL(シャパル)TANNER Leather Garment Manufacturer

  •  1832年、フランスはクルーゼという町でCHAPAL(シャパル)はタンナー(皮革の鞣し)工場として誕生した。19世紀後半に入りパリに移った後、ニューヨークのブルックリンなど世界各地に工場を置き世界にその名を知らしめていった。

     しかし、CHAPALが現在のようなウェアメーカーとしての礎となったのが1914年のフランス空軍の依頼でフライトジャケットやオーバーオールなどを生産し始めたことであろう。その後も防水性や耐久性の向上をめざして開発された特許のプラスチックコートされたレザーが現在でもフライトジャケットの代名詞的な存在であるアメリカ陸軍のB3ボマージャケットに採用されるなど装備としては時代の先端である軍隊との関係が飛躍的にCHAPAL(シャパル)の技術力を高めることとなったのだ。

     1950年代、CHAPALはカーレーサーのためにレザー製のヘルメットやバイザーを作るなど、そのヒストリーにクルマとの関わりが色濃くなり始め、モータースポーツが盛んになるにつれてそのテイストをふんだんに盛り込んだウェアが登場する。

     CHAPALに現代でも根付くモーターレーシングとの関わりを最も顕した出来事として1963年、何と「La Mas Du Clos」というサーキットを自ら作ってしまう。やはりモーターレースの好きなヨーロッパならではの思考であるが、サーキットはCHAPALとクルマ好きの顧客との関係を密接にする役割も果たしており、コミュニケーション戦略のひとつと捉えられていたというのも興味深い。

     この「La Mas Du Clos」は現在でも営業されており、フェラーリコレクターとしても知られる現在のCHAPAL社長ピエール・バルディノン氏をはじめ、周囲の仲間達によるイベントなどでも利用されている。少し話は逸れるが、この1周約3kmのサーキットは一見鈴鹿サーキットを小型化した様な姿をしており、S字コーナーやヘアピン、シケインなどのレイアウトもなかなかテクニカルで楽しそうなコースだ。現に「La Mas Du Clos」のオフィシャルサイトではフォーミュラカーなどのシングルシーターに最も適したコースだとしている。

     もちろんクルマ関係以外にもCHAPALは意欲的な活動を行ってきた。1968年のフランス・グルノーブルで開催された冬期オリンピックでは、乗馬の世界チャンピオンEric Navetのためにウェアを製作。

  • CHAPAL(シャパル)


     あるいはその後20年間に亘りクリスチャン・ディオールの皮革製品を担当するなどファッションの分野でも活躍したのであった。創業以来170年以上の歴史は伊達に皮革製品を作り続けてきただけではなく、確かな実績がクォリティの高さを強く物語っている。

     創業150年を期にCHAPALはオリジナルブランドを主たるラインとして、過去に作ってきたレザージャケットを再生産することを決め、同時にアクセサリー類にも着手した。工場もフランスに統合され、本当に優れた製品を求める人々のためだけに、熟練した職人達の手によって徹底したこだわりをもって生み出される製品作りを行っている。それは多くの人々に受け入れられるものではなく、あくまでもCHAPALたる視線でデザインされたモノ達である。象徴的な鮮やかなオレンジ色のロゴや、それを巧みに配したウェアは今や日本はもとよりニューヨークやイタリアなどのプレミアムショップでのみ販売され、数々のヒストリックイベントなどでも見かけることができる。

     元々、オープンエアドライブで重宝することや、その機能性、そしてデザイン性などからフライトジャケットをはじめとするミリタリーアイテムは人気があるが、歴史的な実績が証明する皮革加工技術と独特のセンスが生み出すデザインは確かにクルマ好きの心を捉える要素を備えており、それらが調和した世界観こそいわゆるビンテージレーシングなスタイルとして定着しているように思える。


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