LE GARAGE Motoring Collection:SENZ Umbrellas

ル・ガラージュが選りすぐった品々の中から、
こだわりの逸品をさらに掘り下げてご紹介。
今回は日本上陸間もないオランダ発の
革命的アンブレラ“SENZ Umbrellas”
をクローズアップしました。

アンブレラの革命。

アンブレラの革命。

  •  現在の一般的な傘のスタイル、開閉式のそれは13世紀のイタリアが最初とされている。元来日傘として生まれたといわれる傘の誕生は古代中国や古代エジプトまで遡るというから、本当に太古から存在するものであるし、とりたてて傘の形状を意識したり疑問を抱くことも無かった。

     そんな傘も素材の発達と合わせて時代とともに少しずつ進化し、折りたたみ式などの持ち運びに容易なモデルも登場しているのはご存じの通りだ。しかし基本的な形状や構造の考え方は昔も今も不変である。

     そのパラシュートの様な形状から、強風には弱く、壊れたり手に持っていられないなど問題もある。一度や二度は台風下で傘が裏返ったり壊してしまった経験があるはずだ。つまり悪天候の中でも比較的穏やかな状態でなければ普通の傘ではあまり役に立たないし、そんな環境では邪魔でさえある。

     オランダの若きデザイナーGerwin(ゲルウィン)らは、そんなヤワな傘に素朴な疑問を感じ、それらを克服すべく、基本的な構造を維持しながらも革新的な発想でこのSENZ umbrellaを生み出したのだ。

     SENZは風をまともに受ける部分であり雨をよけるために覆う傘の形状に注目した。そしてそこにエアロダイナミクスを応用し強風の影響を受けにくい、いや利用した傘を発明したのだ。その上さらに折れやすい骨の部分も、素材と設計を改良し、より丈夫な傘が誕生したのだった。

     傘とエアロダイナミクス。この絶妙で的を得た発想は誰が見ても明らかに「傘」である基本的な構造はそのままに、雨をよけるために最も重要な覆いの部分を見直したのだ。まるでステルス戦闘機の様な形状となった傘は、飛行機の翼のように風をいなすことによって強風でも振り回されることが無い。

     さらには後ろ側が少し長いために丁度柄を持ったときに体をすっぽりと覆ってくれる。また、逆に空気の流れを上手く使って、傘が風に押されにくいようにさえなっている。強風下でも必至に握りしめる必要が無いと言うのだ。これは本当に革命といわず何と言おうか。

     長らく至極当然の様に大きな形状の変化が無かったアンブレラが、大きく進化した瞬間である。

  • SENZ

     SENZのプロモーション映像にもあるが、実際に風洞実験によって折りたたみの小型モデルでも風速60km/h、ノーマルタイプではなんと風速100km/hまで耐えることがわかった。普通ではあり得ない環境ではあるが、そんな強風の中で傘がさせるなんて、だれが想像し得ただろうか。

     また、SENZはスカイダイビング中に傘を広げて持つという、大胆かつ型破りな試みを行った。流石に300km/h近い落下速度の中では耐えきることはできなかったようだが、映像を見る限り落下してしばらくはカタチを維持している。さらに他にも消防車の放水を浴びせたりと驚くようなテストを映像として納めており、このチャレンジは馬鹿馬鹿しさを通り越して脱帽だ。

     流石に安全面からお薦めはできないが、SENZのアンブレラは自転車やバイクなどでも使えることを指す。エアロダイナミクスの効果で、走っていても傘がひっくり返ったり、裏返らないのだ。

     カーグッズという範疇からは少々外れるかもしれないが、このアンブレラの魅力は間違いなく僕たちの心を擽った。2007年のドイツの格式高いデザイン賞、デザインの革新性、機能性、人間工学、エコロジー、耐久性など9つの基準から審査される「レッドドットデザインアワード」の見事受賞をはじめ、ヨーロッパをはじめとする多くの国々でメディアに取り上げられ、賞賛を浴びていることもそれを裏付けている。

     エアロダイナミックな傘。このSENZアンブレラの誕生は、当たり前と思っている身近な製品に、まだ開発の余地が残されていることを意味しているのではないだろうか。しかも目から鱗的な、ね。


    SENZアイテムの一覧を見る

    SENZ Umbrellas 本国サイトを見る(英語)