- Q1:
- サーキットで走ってみたいとは思うのですが、やっぱりちょっと怖くてなかなか踏み込めません。きっかけだとはおもうのですが・・・
- A:
- はじめてサーキットを走るというと確かに身構えてしまうかもわかりません。最近では走行会も頻繁に行われ、ファミリー走行という名で体験走行の時間をとっているものもたくさんあります。これは先導車付きでゆったりと走るものなので、まずサーキットを走るという経験にはとてもいいとおもいます。また、初めて全開走行ができる走行会に参加するときは、とにかく心を落ち着け、最初の数周は流すつもりで走ってサーキットに慣れることが大切です。確かにその次元こそ異なりますが、これはプロでも同じ。どんなスポーツでもそうですが、やはり体も心も、そしてクルマにとってもウォーミングアップは重要なのです。それからもう一つは絶対に無理をしないこと。大切な愛車を壊したり、怪我をしてはもともこもありません。レースじゃない訳だし、賞金も何も出ないのですから、あくまで自分のペースを守りましょう。
- Q2:
- 最近はみんな簡単にヒールアンドトゥができるように言うのですが、以前プロレーサーに同乗させてもらったとき動きやリズム?が大きく違うように思いました。あんなふうに上手くなるには?
- A:
- よく誤解されているのは、ヒールアンドトゥの本当の目的。これはエンジンブレーキを掛けるためではなく、次の加速の準備をするためなのです。ですから速度に合わせて一番加速の良いギアに前もって入れておくというものです。恐らくプロのレーサーと違って見えるのはそのスムーズさのことでしょう。エンジンの回転と速度がピタリと合っていて目を閉じて耳を塞げばどこでギアを変えたかすらわからない・・・。一番の練習方法はまず音です。常にスムーズな回転のつながりをイメージし、頭の中にエンジン音を描く。もう一つはブレーキの操作に重点を置くということです。本来、ブレーキの操作だけに集中するべき減速時にギアを変えるのですから、アクセルはタイミングをみて煽るだけ。その煽り加減とギアチェンジのタイミングは前述の音で身につけるのです。余談ですが名称こそヒールアンドトゥとは言いますが、最近のほとんどのプロはヒール、つまり踵はあまり使っていません。実際には足の親指の付け根でブレーキを踏み、小指側の右側面でアクセルを蹴っているのです。もちろんペダルの位置が合わなければできませんが、微妙なブレーキ操作が行いやすく、さらに極力無駄な動きを減らすという意味でも有効です。
- Q3:
- 私は、最近ではオートマチック車に乗っていますが、以前のようにスポーティなドライビングがしたいと思い、かといって普段の用途を考えるとマニュアル車に乗る勇気はありません。オートマチックでもスポーツドライビングができると聞いたのですが、どういうことでしょう?
- A:
- スポーティというのはギアを変えるあの動作を思っていらっしゃるのでしょう。あの操作は確かにクルマを操縦しているという気分を高めてくれます。最近のオートマチックは本当によくできていて、自動的にヒールアンドトゥと同じような操作を行ってくれるものまで登場しています。オートマチックでスポーツドライビングを楽しむには、まず頭を切り換えることです。つまりゴーカートと同じようにステアリングとブレーキ、そしてアクセルの操作を楽しむのです。一番有効なのは左足ブレーキ。加速から減速、減速から加速の操作がほとんどタイムラグ無しに操作でき、キビキビとした走りが味わえるはずです。また少々コツが必要ですが、故意にギアを変えて、タイミングを合わせてアクセルを煽るのです。つまり両足で行うヒールアンドトゥ。これも慣れれば有効です。それから、左足ブレーキは安全走行にも有効です。市街地の入りくんだ所を走ると、いつ何が飛び出すかわかりません。そんなとき、左足がいつでもブレーキを踏める状態にしておくとずいぶん違います。
- Q4:
- 私は癖でいつもステアリングの下の方を持ってしまいます。教習所では10時10分と教えられましたが、レーサーの人たちはどうなんでしょうか?
- A:
- 一般道路では低速で、しかも鋭角なカーブが多いのでステアリングを持ち替える事が多く、下の方を持っていても気にならないのかもしれません。しかし、人間は体の構造から言ってもステアリングを上に押し上げるように回すより、下に引っ張るように回す方が楽なもので、押し上げる方は微妙な調節に適していると言えます。特に、ハイスピードとなる高速道路やサーキットでは、微妙な操作でクルマが反応することはおわかりでしょう。ですから、やはりステアリングは10時 10分の位置で握るのが一番適当なのです。例えばサーキットを走る場合なら、10時10分を握れば全く持ち替えることなく1周できることに気が付くはずです。ですからプロのレーサー達は自然と普段も10時10分の位置を握ります。セーフティドライビングのためにも、是非10時10分で握ることを習慣づけてください
- Q5:
- 最近、ちょくちょくサーキットの走行会に出かけます。でも、一生懸命がんばったのにタイムが伸びず、速く走るということの難しさを痛感しています。速く走るためのスムーズな運転というのはどんなものなのでしょうか?
- A:
- よく、速く走ることを「攻める」と言いますが、これが錯覚を招いていると言えます。確かに攻めてはいますが、決して急激な操作や力ずくではないのです。一番自分でご理解頂ける方法は、サーキットを本当に軽く流すつもりで走ってみることです。もちろん直線部分では全開にしますが、コーナー手前ではマージンをとって早めのブレーキングを行い、余裕を持ってコーナリングする・・・。するとどうでしょう、一生懸命走ったはずのタイムとほとんど変わらないばかりか速いことだってあり得ます。サーキットの場合、特に1カ所の早さではなく1周のタイムを競います。つまりコーナリングに余裕があれば、一番早いうちからアクセルを全開にでき、タイムを稼げる直線を早く駆け抜けられるのです。あとは、いかに安定したままコーナーの平均速度が上げられるかということ。これこそスローインファーストアウトの原理なのです。
- Q6:
- イタリア車に乗っていますが、どうもドライビングポジションが合いません。何かいい方法はないものでしょうか?
- A:
- 最近のクルマではステアリング位置の調節機能も付いたりして減ってきましたが、イタリア車は一般的にもステアリングが遠いというかペダルが近いものです。どちらに合わせるのが重要かとなると、それは明らかにステアリングです。エアバッグのないクルマの場合、ステアリングの付け根のボスにスペーサーを入れるというのは良く使われた手段ですが、最近のエアバッグ付きのクルマではシート位置で調節するよりありません。ただ、基本的なこととして本当にシートの座面奥までちゃんと座っているかが重要です。クルマによっては座面高の調整ができるものもありますから最大限利用して、一番操作し易い位置に慣れましょう。その場合の注意点は、まずステアリングの一番上を握ってみて肘が軽く曲がっていることを確かめます。次にクラッチペダルが最後までちゃんと踏み込めるかを確認します。寝そべり過ぎやステアリングにしがみつくようなポジションは危険ですからやめましょう。
- Q7:
- 先日とあるドライビングレッスンに行って、ブレーキングが甘い!と言われてしまいました。どんな踏み方をすればいいのかもっと簡単に知る方法は無いでしょうか?
- A:
- ブレーキングの話をする前に、まずその理屈を知ることが先決です。掌を机の上に置いて左右に滑らせてみてください。特に意識しない限りスルスルと滑らすことができます。次に、上から机を押しつけながら同じようにするとどうでしょう。当然ながら滑らすことは困難だったハズです。つまりいくらブレーキそのものが良く効いても接地するタイヤの性能を使っていなければブレーキも利かないのです。クルマの場合、常に接地するタイヤそれぞれに掛かる荷重は変化し続けています。この荷重移動を上手く利用することで、強力なブレーキングが行えるのです。
例えばサーキットで最速と言えるブレーキングは、良く「最初は軽く踏み、ググッと真綿で締めるように・・・」と言われます。これを解説すると、まずブレーキを軽く踏むことで荷重移動。続いてその荷重がフロントタイヤにしっかりと掛かっていることを確認しつつさらにブレーキを踏み込む・・・といったところでしょうか。
とにかく、クルマだけでなく全てのスポーツがバランスです。ブレーキング時に限らず、コーナリングでも町中でも、常に荷重移動を感じながらドライブすることが最速で安全な運転と言えるのです。
- Q8:
- 一度、雨のサーキットランで事故をして以来の怖さもあいまって、雨となると極端に遅くなってしまいます。雨の日に速く走るコツを教えてください。
- A:
- 雨の日は当然のことながら路面抵抗が減って滑りやすくなります。晴れの日との明確な違いはと言えば、当然コーナリングスピードの低下です。特に雨天時にサーキットで速く走るにはタイヤのグリップを確かめるように走ることでしょう。ただし、ステアリングは10時10分の位置を軽く握り、肩の力を抜いていつでも反応できる体制を整えておきましょう。また、雨の予選などでタイムを出すコツは、とにかく制限時間いっぱい走り続けることです。走り続けることで感覚的な慣れが安定走行をもたらすことと、変化し続ける天候のもっとも良い時間を逃さないためです。恐怖感については、走行前にコースを頭に描き、雨天時の走行「イメージトレーニング」も充分に行っておくこと。深呼吸も効果的です。